ファミリーランドみかさ遊園キャンプ場 ~地味に良い~


探訪日:2022.08
サイト:フリーサイト
温泉:湯の元温泉


 2022年の夏休みは子供が塾の夏期講習に通い時間がとれず、お盆まで動けない状況に加え、天気が不安定で好天が2日持たない状況が重なりました。一泊二日で余裕を持って行ける範囲(片道2時間以内)の中から、天気予報を見て前日に行先を決めて実施しました。お盆明けということもあり10組程度の利用。静かでゆったりとした時間を過ごすことができました。
決めた理由を思い起こすと以下かな。
・チェックイン・アウトの時間的制約がない

・ある程度の広さがある

・温泉が近くにある

・ゴーカートがある


 強かったところを家族に聞いたところ、以下の4点でした。

・トイレがとても綺麗

・色々な虫がいた(良くも悪くも)

・風通しが良くて気持ちが良い

・蚊やブユはいない

・遊園地エリアとキャンプエリアが分かれている


トイレがとても綺麗

 いままで道内各地の色々なキャンプ場へ行きましたが、ここのキャンプ場のトイレはトップクラスの綺麗なトイレでした。キャンプ場のトレイは虫が多いのが普通ですし、キャンプ場内には蛾が多かったですが、トイレの中には虫がほとんどおらず、臭いも気にならず、気持ちよく利用できました。家族の評価が高かったです。


蚊やブユがいない

 お盆明けすぐの頃でしたので、7月に比べると蚊やブユは多くないと思います。しかし、雨上がりで水が多い場所であるにも関わらず、家族全員、半袖半ズボン状態で1か所も刺されなかったです。ただ、今年は他のキャンプ場や山行っても蚊やブユが少ない感じがしました。ここだけ特別ではなさそうに思います。蚊やブユがいないと楽です。


遊園地エリアとキャンプエリアが分かれている

 キャンプサイトと遊具やじゃぶじゃぶ池、ゴーカートのあるエリアは隣同士ですが分かれていて、有線放送などの音は遊園地エリアの方に向けて流れるようになっていました。遊園地エリアから離れた所にテントを張ったのですが、騒がしくは感じずゆっくりとした時間を過ごせました。遊園地エリアは9-17時の営業なので、それ以外の時間は、昼間はセミとキリギリスの合唱、夜は虫の声で満たされている感じ。


事前予約不要、無料、チェックインアウト時間制限なし

 いつでも来てキャンプできる感じです。予約がいらず、チェックインアウトの時間制限がないです。無料です。清掃協力金の募金箱がありました。募金しました。自由度が高いですが、極端な利用はない感じ。例えば、夜中に来てテント設営するとか、不夜城のように賑やかとか、ゴミ散らかしとか。。
 小さなお子さん連れのファミリーが多かったです。じゃぶじゃぶ池、ゴーカート、ロング滑り台、虫がたくさんいたので、そうかな。


綺麗で風通しが良いサイト

 概ね綺麗なサイトでした。ゴミが落ちていたので拾って帰りました。芝も綺麗に整えられていました。道挟んで上側の平坦なサイト、下側の少し斜面なサイトがありました。上側の平坦なサイトにテントを張りました。とても風通しが良くて気持ちよかったです。ただ、サイトの奥の方の芝はぐしょぐしょでテント張れない感じでした。前日、桂沢湖と夕張を結ぶ国道が通行止めになるくらいに激しい雨だったようなので、いつもは普通に乾燥しているんだろうと思います。


色々虫がいる

ミンミンゼミの大合唱

 近年は地球温暖化の影響なのか、北海道でもミンミンゼミがあちこちで鳴いています。ここでも、日中の暑い時間帯はエゾゼミより多いくらいに鳴いていました。涼しい朝夕はエゾゼミの合唱でした。私が子供の頃は、ミンミンゼミの鳴き声は聞いたことがなかったです。当時は、北海道のごく一部の地域にいるくらいだったと思います。


キリギリスの大演奏

 キリギリスも多かったです。たまたまメスがコンテナの上に来て捕まえました。逃がしても動かないので、写真をとりました。


珍しめの蝶がいる

 山のキャンプ場だからでしょうか。住宅街ではあまり見かけない蝶がいました。写真に撮れたのは以下です。

キベリタテハ


メグロヒョウモンのメス


ミドリヒョウモン かな


クワガタやカブトムシがいる

 子供たちに人気のクワガタやカブトムシもいました。ただ、お盆過ぎで時期的に遅いため、数は少なかったです。スジクワガタ2匹、カブトムシのメス1匹、見かけました。写真は樹液を吸っているスジクワガタと思われるクワガタ。木の上の方にいて手が届かなかった。


樹液を舐めるカタツムリ

 キャンプ場内を色々散策していると、カタツムリ(サッポロマイマイ)がたくさんいる木がありました。木にカタツムリがいるのに違和感があったので、近寄って見てみました。すると、樹液が出ていて、カタツムリは樹液を舐めっているように見えます。カタツムリが樹液を舐めるということを初めて知りました。


トンボの群れ

 これも時期的なものなんだろうと思いますが、トンボが大量にいて、蚊やブユがいないのはトンボが食べているからかもしれないと思うほどでした。テントのポールやワイヤーに列を成してトンボが止まるし、人にも止まる感じでした。オニヤンマも結構いて、キャンプ所内を飛び回っていました。虫網持ってこなかったので捕まえることはしませんでした。

蛾の群れ

 電灯の周りなど、夜に灯りが付いているところのまわりに大量に蛾がいました。しかも大きい。ヨナクニサンを小さくしたような蛾でした。生きているものもいれば死んでいるものもいる。


 夜は電灯に大量に飛んできていました。花火をするとその灯りに飛んでくるようで、夜、子供たちのキャッキャという声が聞こえました。

 キャンプ2日目、子供が繭が落ちていると拾って見せてくれました。確かに繭です。大量に落ちているので、たぶん、この蛾の繭なのだろうと思いました。


繭が落ちていた近くの木を見てみると、何枚かの葉を絡めて中に繭を作っている状態のものがあちこちに見つかりました。なるほど、繭がある木が幼虫の食草っぽいなと思いました。同じ木に成虫もいて、成虫は樹液を吸っていました。ここはこの蛾の繁殖場所のよう。蛾の大群が押し寄せるのはこのためかと思いました。

帰宅してからインターネットで検索してみると、「クスサン」という蛾であることがわかりました。クスサンの繭は通称「すかしだわら」と言うようです。


ゴーカートとロング滑り台

 遊園地エリアにゴーカートがありました。子供が運転するという。小学生の頃は怖がって運転したがらなかったのになと思い出します。私は助手席でビデオをとりました。ロング滑り台があり、子供と滑りました。ジャージ履いていた方が滑ると思います。擦れてジャージが溶けないように注意ですが。。



湯の元温泉

 ここの温泉は昔からあるようで、浴場の前にある温泉分析書には昭和26年とあります。同じところに但し書きがあり、2020年の泉質分析では微妙に硫黄成分が足りず、温泉法的には天然温泉の定義外であると書かれていました。お盆明けということもあり、密になることもなく、ゆっくり入浴することができました。


 浴場前の休憩コーナーにアップルミントのデトックスウォーターがあり、自由に飲むことができました。美味しかったです。また飲みたいです。


食事

 今回は炭を使わずガス調理で済ますことにしました。帰宅翌日から仕事なので、なるべく手間かけないで、荷物も減らしたかったためです。夕飯はハンバーグカレーライス。奥さんがカレー、子供はハンバーグ、私はサラダ、各担当で作って食べました。キャンプのカレーはなぜか美味しいです。


道端の石

 キャンプ場内から未舗装の道が山奥に延びているので、ちょっと歩いてみました。「下一の沢林道」という看板があり林道ゲートがありました。半袖半ズボン&クロックススタイルだったので、草むらやゲート奥へは入らず、足元を見てみました。すると、石が赤茶色していました。レンガのような赤さです。この石は何だろうと思いました。
 粒子は細かくて肉眼では見えず、礫・砂ではなくシルトか泥みたい。でも、砂や泥は通常赤くはないし、砂や泥が固まった岩石(砂岩や泥岩)は、通常は灰色であったり黒っぽいです。砂や泥に近い火山灰が固まった凝灰岩は、白っぽかったり緑色がかっていたりしていて赤くはないです。片状に割れるものもあるし、そうでないものもある。黒い泥岩のような岩石と一緒になっている欠片もあります。


 キャンプの帰り道、三笠博物館に寄って「三笠石」の展示をみました。この展示を見るのは3回目か。。。と、三笠石の標本に付いている赤茶色の石に目が留まりました。キャンプ場の道にあった赤茶色の石と似ています。下の写真は三笠博物館に展示されていた三笠石の標本を撮影したものです。黄色い部分が三笠石です。赤茶色の砂利みたいなものが一緒にくっついていますが、キャンプ場に落ちていたレンガ色の石と似ているなと思いました。

 帰宅後、5万分の一地質図などで調べてみると、キャンプ場辺りは、中部エゾ層群と呼ばれる地質帯で、アンモナイトの化石が出てくる地層のようです。1億年くらい前に浅い海で堆積した地層のようです。三笠石の産出はインターネット上には奔別川東岸とあります。そこはキャンプ場から近く、三笠層という時代的にキャンプ場のあたりの地層の上に重なる同じ中部エゾ層群の地層でした。この辺りの地層はレンガ色なのでしょうかね。実際に露頭とか見ていないのでわかりません。

 専門家に聞く機会があったので、このレンガ色のシルト・泥岩ないし頁岩のことを聞いてみました。ハッキリと確実なことは言えないということでした。予想は、この石はエゾ層群の岩石ではなく、その上に堆積した石炭の層のものではないかということ。石炭の層の下に鉄分を多く含む赤茶色の泥岩の層が薄くあるということでした。機会があったら、それが見ることができる露頭を見れたらよいなと思います。


参考文献等

地質図Navi(https://gbank.gsj.jp/geonavi/)
5万分の一地質図幅 岩見沢(https://www.gsj.jp/data/50KGM/PDF/GSJ_MAP_G050_04014_1964_D.pdf)
日本地方地質誌 北海道地方 朝倉書店 2.3 前弧海盆地質帯 c