
採集日:2008-06-26
採集地:士別市
地質帯:神居古潭帯
岩体 :犬牛別
種別1:火成岩
種別2:深成岩
サイズ:
士別のかんらん岩です。かんらん岩とは「かんらん石」「直方輝石」「単斜輝石」の3種類の鉱物を主成分とする岩石のうち、かんらん石が岩石全体の40%以上含まれている岩石です。
直方輝石かんらん岩とは、単斜輝石があまり含まれていないかんらん岩で、単斜輝石が岩石全体の5%です。
士別には白亜紀の頃の海洋プレートが地上に露出している地域があり、幌加内オフィオライトと呼ばれています。オフィオライトとは海洋底のリソスフェア(海洋底地殻と上部マントルの一部が一体化したもの)です。上部マントルの岩石であるかんらん岩が分布しています。しかし、現在、その多くが蛇紋岩に変化してしまっています。中には蛇紋岩への変化が途中で終わってしまった(かんらん石や輝石が多く残っている)ものがあります。これは、同行していた知人が見つけたものです。
ここのオフィオライトは、白亜紀の頃にローラシア大陸(インドを除くユーラシア大陸と北アメリカ大陸が一体化していた頃の呼び名)の東の端(のちに日本列島となる部部分)に沈み込んでいたイザナギプレートと呼ばれる海洋プレートが、たまたま地上にまで隆起し露出してしまっているところです。海洋底プレートは海嶺で生まれます。海嶺の地下深くでマグマが作られる際、海嶺の地下にあるマントルのかんらん岩の一部が溶けてマグマを生成すると言われています。その際、かんらん岩の中に含まれる単斜輝石と呼ばれる鉱物が溶けやすいと言われており、海嶺の下のかんらん岩は単斜輝石が少なくなった「直方輝石かんらん岩(ハルツバージャイト)」が多くなると言われています。
実際、沢を歩いてみると、沢にあるかんらん岩や蛇紋岩は、ほとんどが、もともと直方輝石かんらん岩だっただろうと思えるものばかりでした。

かんらん岩は、圧力にもよりますが、地下でだいたい40℃〜600℃の温度範囲にある時に、水に触れる(例えば、地下水と出会う、沈み込んでいった海洋プレートが変成して滲み出た水と触れる)ことにより、かんらん石と輝石が蛇紋石に変化し蛇紋岩になります。このサンプルは一部が蛇紋岩になっていますが、まだ、石全体の半分かそれ以上が黄色味を帯びたオリーブ色の透明感のある鉱物で占められており、かんらん石が蛇紋石にならずに残っていると思えます。錆びたようになっている部分はかんらん石が風化し別の鉱物になっているところです。
※直方輝石は、以前は「斜方輝石」と呼ばれていました。2014〜2015年頃に日本結晶学会、日本鉱物学会で「直方輝石」と呼ぶことを優先すると決まりました。ただし「斜方輝石」と呼んでも間違いではないとしました。私は「斜方輝石」と呼んでいた時期が長いので、その方が言いやすいですね。

オリーブ色が強い部分もまだありました。

沢にあった時はこんな感じ。かんらん岩の風化面であり錆び色です。