石のDB

078 透閃石ロジン岩 tremolite-rodingite 平取町 

078/132


採集日:2008-09-20
採集地:平取町
地質帯:神居古潭帯
岩体 :鵡川
種別1:火成岩
種別2:変質岩
サイズ:7cm

元の岩石の組織が結構残っているタイプのロジン岩で、透閃石が綺麗なものです。

このタイプのロジン岩は、ロジン岩が大量に出てくる地域で時々見かけます。
ロジン岩は、かんらん岩体が地下深くから地上まで上がってくる際に、途中にある岩体を巻き込んでしまって、巻き込まれたまま、かんらん岩体が蛇紋岩化すると、カルシウム成分が大量に余り、巻き込まれた岩体は、余ったカルシウムが強制投入されて変質してしまいロジン岩になってしまうというものです。
カルシウム投入は強力であり、巻き込まれた側がなんであろうとロジン岩にしてしまうようです。巻き込まれた側はたまったものではないのかもしれませんが、写真の岩石の場合は、元々は斑レイ岩か閃緑岩ではないかと思われます。元の岩石の輝石か角閃石の部分が、変質して、カルシウム成分の多い角閃石である「透閃石」になり、長石や石英は真っ白な他の鉱物になってしまったようです。
もしくは、元々輝石を含むかんらん岩だったものが蛇紋岩になってロジン岩になるケースがあったとしたら、変質に強い輝石は透閃石程度の変質で留まり、変質に弱いかんらん石や蛇紋石の部分は真っ白な別の鉱物に置き換わってしまっているような気もします。
写真ではわかり難いかもしれませんが、この岩石の色彩が軟らかくて綺麗だと私は思っています。磨いたらすごく綺麗になるのではないかと。。また見つけたら、今度は磨いてみようと思っています。