石のDB

095 両輝石かんらん岩 lherzolite 様似町 

095/132


採集日:2007-09-12
採集地:様似町
地質帯:日高変成帯
岩体 :幌満
種別1:火成岩
種別2:深成岩
サイズ:12cm

地質学会の見学旅行で幌満を訪れた時に採集したもの。

かんらん石の他に斜方輝石と単斜輝石が混ざっている岩石。幌満のかんらん岩は美しくて、斜方輝石が飴色。単斜輝石がエメラルドグリーンです。

この石は暗い青緑に見えるのですが、褐色の鉱物とエメラルドグリーンの鉱物の結晶が結構入っているのが見て取れます。 このサンプルにも入っていますが、場所により、レルゾライトには、赤紫色の筋が入っていることがあります。このサンプルは、赤紫色の筋が入っているのがなんとなくわかると思います。この筋のことをシンプレクタイトといい、微細なスピネルと斜方輝石と単斜輝石の固まりです。この石は、幌満のかんらん岩の中では、最も深い所(地下50~60km)からもたらされた石と言われています。50~60kmは上部マントルにあたり、マントルにいた時は、ザクロ石の一種であるパイロープの入ったかんらん岩だったと言われています。それが日高山脈生成時に地下から上昇してきた際に安定が崩れ、ザクロ石が分解したのだと言われています。


これは、アポイビジターセンターに売っていた、かんらん岩の文鎮です。かんらん岩は重いので文鎮になるのだと思います。この文鎮は、上記で説明した、パイロープの分解成分であるシンプレクタイトを含む美しいレルゾライトで、お買い得と思いました。アポイ岳を訪れることがあったら、麓のビジターセンターに寄ってみても良いかもしれません。

レルゾライトは、マグマ成分が抜けきっていないかんらん岩のようで、少なからず、ザクロ石、斜長石、スピネルが含まれていて、それにより名前が付いています。