石のDB

079 灰クロームざくろ石 uvarovite 平取町 

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採集日:2003-05-31
採集地:平取町
地質帯:神居古潭帯
岩体 :鵡川
種別1:珪酸塩鉱物
種別2:ざくろ石
サイズ:ー

クローム鉄鉱の割れ目の空隙に生成した灰クロームざくろ石の結晶

平取町にはかつてクローム鉱山がたくさんありました。クローム鉱山はクローム鉄鉱という酸化クロームで出来た鉱石を採掘していました。クローム鉄鉱は灰クロームざくろ石という美しいエメラルドグリーンのざくろ石を伴っており、クローム鉱山跡でクローム鉄鉱を見つけると付いていることがあります。
このざくろ石は、肉眼で見えるレベルの結晶になることが少なく、ほとんどは皮膜状で産します。これは、たまたま、クローム鉄鉱の中に割れ目があり、その隙間に結晶していたものです。クローム鉄鉱は非常に地下深くの高圧下でマグマから結晶分化されて、かんらん岩と一緒に生成するもので、隙間はできにくい。クローム鉄鉱の岩体を含むかんらん岩が蛇紋岩になる時に、相当ば力を受けて、変形して隙間ができたのかもしれません。
クローム鉄鉱は、北海道の他の蛇紋岩地域でも見れますが、このように結晶化した灰クロームざくろ石が見られるのは稀です。

結晶は0.1mm~0.3mmくらいの小さなものですが、透き通っていて綺麗です。クローム鉄鉱の表面にびっしりと透明な鉱物が付いており、その上に灰クロームざくろ石の結晶が付いています。透明な鉱物もざくろ石っぽいです。